資料化した情報カードの一部をご紹介します。これらの内容は講演・執筆テーマとして対応可能です。ご検討する際にお役立てください。
養生に熱心な人の疑問
養生に熱心な人がその要を質問してきた。
「ある人がいうには、田舎の人が力仕事をするように勤苦労働するようにしなさいと。また、ある人は金持ちや貴人のように安静しとやかに過ごしなさい。また、ある人は粗末な食と少しの飲み物で胃腸内の食や糟粕の通りをよくしなさい。また、ある人は厚味酒肉をもって体力を補い増しなさいと言います。それぞれ道理があるように思います。先生、一体どれが正しいのか教えてください」と。
それらはみな正しく、またみな間違っています。
養生の道は広く、一概に決めることはできません。その要点は自らその限界や節度を知り、それを固く守るという一事に尽きます。
養生の法は天賦、すなわち各人の生まれつきに随うべきです。
柱(ことじ)に膠(にかわ)して瑟(しつ)を鼓(こ)するようなこと(※1)があってはなりません。
※1柱に膠して瑟を鼓する…『史記』(琴柱を動かせないように膠でとめると、調子を変えることができないところから) 規則に拘泥して融通を知らない喩え
ほんとコレ
健康面のアドバイスで絶対的なものがあった場合、それは「常識」として受け入れられるために質問にはならないものです。
例えば「歯は磨いたほうが良いですか?」という質問はないでしょう。磨いたほうが良いからです。(磨かずに後悔する人がいるのも事実です)
しかしながら、健康になる方法というのは何か特定の「答え」があるわけではありません。それに引き換え特定の「答えを求める気持ち」は存在します。
ですから、肉を食べたほうがよいとか、夜更かしはダメだとか、コーヒーが良いとか…
世間ではこのように部分的な比較をして優劣を証明しようと躍起になっています。
答えからいうと「人による」「ケースバイケース」という言い方になってしまうのです。
それでも「自分の体質や性分(性格)を知っておくこと」で対応する幅が広がりますし、絶対的な正解ではないというのは自分なりの正解があるということにもなりますので、その点は救いになるかもしれません。
養生(健康)に熱心でも良いのですが情報に振り回されたり固執したりしては、それ自体が病的であるという誤謬(考え・知識などの誤り)だと知るでしょう。
マツモト コウイチ
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