いざ陰陽論!

鍼する左手 灸する右手

 

中堅鍼灸師のマツハリ先生と健康マニア宇宙人のキュウタロウ君のドタバタ鍼灸問答です

わかりそうでわからない、鍼灸の世界を垣間見てみましょう!

#15 いざ陰陽論!

 

キュウタロウ : マツハリ先生はいつも考え方が大切だって言っているよね?
マツハリ先生 : そうさ。今日はその考え方で中心的な役割を負っている陰陽五行説のなかから、陰陽論の説明をしようと思うよ。

キュウタロウ : 東洋医学の本質だね。わくわくしちゃう。それじゃお願いします。
マツハリ先生 : 陰陽(いんよう)っていうのは、古代中国の思想に端を発し、森羅万象、宇宙のありとあらゆる事物をさまざまな観点から陰(いん)と陽(よう)の二つに分類する考え方だよ。

キュウタロウ : 何でも?
マツハリ先生 : そうさ。なんでも陰と陽にわけて考えることができるんだ。このような陰陽に基づいた思想や学説を陰陽思想、陰陽論、陰陽説などと言って、五行思想とともに陰陽五行説を構成したんだよ。五行説はまた別の機会にお話するとして今回はこの陰陽に注目してみよう。

キュウタロウ : どうやって陰と陽にわけるの?
マツハリ先生 : 簡単に言うと受動的な性質を「陰」、能動的な性質を「陽」に分類するんだよ。

キュウタロウ : さっぱりわからない。
マツハリ先生 : 具体的には、闇・暗・柔・水・冬・夜・植物・女などが「陰」であり、明・剛・火・夏・昼・動物・男などが「陽」なんだ。。

キュウタロウ : 受動的とか能動的ってだけだとわかりにくいなぁ。
マツハリ先生 : そうだね。熱いとか、広がっていくとか、動くっていうものを「陽」と考えてみて。そして冷たいとか、集まってくるとか、止まっているっていうのを「陰」って考えて欲しいんだ。

キュウタロウ : そうか。それからさっきの話にもどるとよくわかる気がする、冬とか夜って止まっている寒くなったり、止まったりするイメージがあるもんね。火とか明かりっていうのは力強かったり明るいイメージだから広がっていくように感じる。だから陽なんだね。
マツハリ先生 : まずは、そのような原則とイメージをつかむことが大切だね。いい調子だよ。

キュウタロウ : 何か、またルールみたいのがあるんでしょ?
マツハリ先生 : そうさ。勘がいいね。これを見て。これが基本的なルールだよ。

陰陽互根(相補性)
陰があれば陽があり、陽があれば陰があるように、互いが存在することで己が成り立つとする考え方。陽のみ、陰のみでは存在しない。

陰陽消長(拮抗律)
陰陽の量的な変化。陰虚すれば陽実し、陽虚すれば陰実する。陰実すれば陽虚し、陽実すれば陰虚する。

陰陽転化(循環律)
陰陽の質的な変化。陰極まれば陽転し、陽極まれば陰転す。

陰陽可分(交錯律)
陰陽それぞれの中に様々な段階の陰陽がある。陰中の陽、陰中の陰、陽中の陰、陽中の陽など。

キュウタロウ : わかりにくいけど、いろんなルールがあるんだね。
マツハリ先生 : 陰陽は相反しつつも、一方がなければもう一方も存在し得ない。森羅万象、宇宙のありとあらゆる物は、相反する陰と陽の二気によって消長(増えたり減ったりすること)盛衰し、陰と陽の二気が調和して初めて自然の秩序が保たれるってことなんだよ。

キュウタロウ : 陰と陽があるから自然の秩序を保っているのか。
マツハリ先生 : とにかく、具体的なことを想定しながらさっきの4点について考えてみることが大切だよ。

キュウタロウ : 一番目はわかりやすいね。天があるから地があるし、男がいるから女もいるわけでしょ?
マツハリ先生 : 男でも女でもない人がいる現代では理解が少し難しくなっているけどね。

キュウタロウ : も~マツハリ先生は僕がまじめに覚えようとしているときにふざけないでよっ!
マツハリ先生 : ごめんごめん。陽だけ、陰だけでは存在しないってことはしっかり理解しておいてね。

キュウタロウ : 次が消長ってやつか。これはよくわからない。
マツハリ先生 : 簡単に言うと、陰と陽を足した時の絶対量が変わらないってことだよ。陰が増えれば陽が減るし、陽が増えれば陰が増える。ただそれだけ。

キュウタロウ : 簡単に言うなぁ。。。
マツハリ先生 : 太極図ってしってる?韓国の国旗みたいなやつで白黒なもの。勾玉(まがたま)に似ているデザインだよ。

キュウタロウ : あぁ、どこかで見たことがある。
マツハリ先生 : 勾玉の部分が魚に見えることから陰陽魚なんて呼ばれたみたい。

キュウタロウ : 見える見える~。魚だね。
マツハリ先生 : その図でさ、中心を通ってどこかで線を引くわけ。そうすると、必ず陽と陰に分かれるんだよ。

キュウタロウ : そうなんだぁ。
マツハリ先生 : それが必ず陰が増える方向に迎えば陽が増えている。右回りでも左回りでも中心を軸にクルクルと定規を動かしてみればいいさ。

キュウタロウ : すごいや。そういうグラフみたいなやつを図案化していたのかっ。
マツハリ先生 : こうやって増えたり減ったりするのが消長ってやつだね。午前中、正午、午後、夕方、夜中、明け方みたいに一日の太陽の動きみたいでしょ?

キュウタロウ : そう言われればそうだね。
マツハリ先生 : そして、転化ってやつが大切なポイント。陰が減って陽だけになった次に新しい陰が増えてくる。減り続けた陰が増え始めるという逆転現象になるんだ。

キュウタロウ : 転化ねぇ。。。
マツハリ先生 : 雪合戦しているときに手袋しなかったとしたらどうだろう?最初は冷たかった手が、最後ははれぼったく火照(ほて)ってくるんだよ。こういう感じ方も陰陽転化って考えていい。冷えが極まって熱さと錯覚するんだ。

キュウタロウ : 最後の陰陽可分っていうのは?
マツハリ先生 : 陰陽のなかにさらに陰陽って分けられるってことだよ。やろうと思えば再現なく陰と陽にわけることができるってことさ。上と下に分けても、上の上と上の下って分けられるでしょ?

キュウタロウ : 上の上の上の上の、、、僕の成績のこと~。
マツハリ先生 : ほらほら集中してー (私がさっき冗談言ったばっかりにキュウタロウ君まで。。。)

キュウタロウ : へへへ。
マツハリ先生 : いいかい、確認だよ。受動的、内向的、集約される状況を陰とする。いいね?

キュウタロウ : はいっ
マツハリ先生 : 能動的、外交的、発散に向かう状況が陽だよ。

キュウタロウ : うん。わかるわかる。
マツハリ先生 : そして、それぞれ独立して存在できない陰陽互根(相補性)、片方が増えれば片方が減る陰陽消長(拮抗律)、一方的に極まると反対の性質が出てくる陰陽転化(循環律)、そして陰陽それぞれのなかにさらに陰陽とわけることができる陰陽可分(交錯律)があるということをよく覚えておいてね。

キュウタロウ : (簡単と言えば簡単なんだけど復習しなっきゃ危ないな。。。)
マツハリ先生 : ほら、ぼんやりしないの。しっかり覚えなきゃダメだよ。本当に大切な考え方だからね。今度は復習するからそのときまでしっかり勉強しておきなよ。

キュウタロウ : ギクッ!!!(はぁビックリした。マツハリ先生は心の声が聞こえるのかな??)
マツハリ先生 : さては、図星だったんだろうね。ははは。キュウタロウ君は素直だなぁ。ははは。

 

第15話を終えて

 

陰陽論はとてもシンプルに物事の変化を表現しています。東洋思想の根本原理と言っても良いでしょう。

東洋思想のすべては陰陽を中心に理論が展開されています。

現代的にその価値を問うのではなく数千年前からそのような理論があり、そしてそれを拠り所として思索が発展してきたということも踏まえて古人の見聞を現代的に活かす方法を模索したほうが歴史的な財産を活用する者のつとめだと考えています。

筆者は一般の人にも役に立つ陰陽論をいつか紹介してみたいという希望を持っています。

 

 

The following two tabs change content below.

マツモト コウイチ

東洋思想研究家でありUdemy講師でもあります。開業15年超の鍼灸師です。ビジネスから教育、エンターテイメントまで多くの人の成功と挑戦を東洋思想家として見渡しています。すべての投稿に関して講義講演が可能な内容となっています。居敬窮理(振る舞いを慎み、道理をきわめて、正しい知識を身につけること)を実践していこうと思います。

最新記事 by マツモト コウイチ (全て見る)


ABOUTこの記事をかいた人

東洋思想研究家でありUdemy講師でもあります。開業15年超の鍼灸師です。ビジネスから教育、エンターテイメントまで多くの人の成功と挑戦を東洋思想家として見渡しています。すべての投稿に関して講義講演が可能な内容となっています。居敬窮理(振る舞いを慎み、道理をきわめて、正しい知識を身につけること)を実践していこうと思います。