口内炎を防ぐには

病気や症状に関する話題はとてもデリケートな内容です。鍼灸師である筆者の知見であることをご理解のうえお読みください。

今回はいわゆる口内炎の考え方についてお話します。

 

口内炎の理解と対策について

西洋医学は

 

本来は西洋医学と東洋医学はまったく別物です。西洋医学は症状に合わせた治療をします。東洋医学は異変があって症状が出る、だから異変を調整しようと考えます。

どちらが良いとか優れているという比較は一概にはできません。

ケースバイケースのこともありますし、「治る」という定義からしたら評価も違うからです。このお話は長くなり本題に入れなくなるので割愛しますがいろいろな見方があると最初にお伝えしておきたかったのです。

 

いわゆる口内炎

 

口の中にできて飲食したときに染みるような激痛があるもの。それが口内炎ですね。

広義では口角炎とは歯肉炎、舌炎、口角炎なども含みます。ここでいう口角炎は狭義の口角炎で数ミリくらいの大きさで月のクレーターのような白いボッチを言います。これがアフタ性口内炎と呼ばれるものです。

基本的に原因は不明とされています。実際に原因は多岐にわたり、ストレス、免疫力の低下、寝不足、栄養不足、女性なら生理前や妊娠時のホルモンバランスの乱れなどが影響しています。

原因が多岐にわたるということで単なる疲れから発症するものもありますが全身性の疾患(自己免疫疾患であるベーチェット病、クローン病や全身性エリテマトーデス)や口腔内の腫瘍の可能性もあります。冷静に対応するために症状が頻発したり慢性化するときは医療機関への受療も検討してください。

また入れ歯(義歯)や舌や口内を誤って噛んだために起きることもあります。(この場合は原因が思い当たると思います)

 

東洋医学で考えてみると

 

口内炎は胃熱といってのぼせの一症状と考えることができます。

胃腸の負担と考えますが基本的には腸ではなく胃の負担の場合が多い気がします。人体の構造にとても感心する点なのですが、口内炎が胃腸の負担によって発症すると考えると、その負担を減らすために飲食を減らすように口の中に痛みを伴うというのはとても合理的ですね。

また口内炎に限らず腸内の潰瘍はすべて皮膚でいうおでき・吹き出物というように考えます。人体には津液(しんえき)という血液とは違う水分があると考えます。これが枯渇すると皮膚(と腸内)に吹き出物のような潰瘍やポリープ、癌が発生すると考えます。

胃熱に関しても結局、津液を減らすために(胃の熱によって津液が蒸発するようなイメージ)口内炎が発生します。似たような現象を考えれば口臭がきつくなることや歯茎が腫れる状態も、津液の不足や胃熱の悪化によって起こりうると簡単に想像できます。

ですから予防・回復には胃の負担を減らすことを一番に考えなければなりません。

(室町時代の医者曲直瀬道三も早くから胃熱に注意するように言っています。)

口内炎を治すには

 

胃の負担を減らすということですから、まずストレス由来のものを減らしましょう。忙しい生活を改める、人との連絡を控えめにする、思い切って仕事を休む、難しい出来事は誰かに頼るなどたくさんの選択肢があります。

また胃の負担を減らすために、食べ物の量・質だけではなく調理方法や食べる時間をしっかり意識してコントロールしましょう。基本的には腹八分ですが、口内炎があるうちは少食で仕方ありません。治ってきたらよく噛むことを意識して、食後に歯磨きなど口内を清潔に保つことを再確認しましょう。

おやつなど間食がずっと続くと胃が休まるときがありません。胃腸に休憩の時間があるように食べる・食べないのメリハリをしっかりつけて生活しましょう。

 

基本的な考え方

 

口内炎に有効なツボはいくつかあります。胃熱を考えれば胃経と思うかもしれませんが、同じ陽明経の大腸経の熱を散らした方が効果的な場合が多いです。

また腎経の虚を嫌がりますので、腎を損なわない生活をしましょう(具体的には夜更かしを禁止、甘い物を控える、必要以上に心配しない、驚くこと・不安を持つことをしない等)

のぼせが起きない状態をキープできれば口内炎の発症は限りなくゼロにできます。それを大腸経にお灸をすると回復や予防に有効です。

逆に処置をしても対処しても口内炎が頻発する場合は単純な疲れとは考えにくいものです。必ず医療機関に行くことにしてください。

 

早く対処することが大切

 

忙しい人には口内炎のために病院に行くというのは大変かもしれません。そのようなときはしばらくお灸を続けてみることをオススメします。

お灸は大腸経にある経穴(ツボ)を使います。大腸経の原穴(げんけつ:その経絡の代表的な性質がある場所)である合谷や郄穴(げっけつ:急性期に効果がある)の温溜が良いでしょう。

お灸の部位は少ないほど効果的だと考えてください。口内炎の対処だけ考えたら温溜だけで十分です。その場所に症状が軽減してもしばらくは毎日お灸をしましょう。

 

予防的意味も考えて

 

口の中は普通に雑菌が多い場所です。歯周病や口臭、歯茎が痩せるなど年齢や体力によって異常の出やすい場所です。ですから日頃から口内環境をしっかり保つように心がけましょう。

そのためには症状が無くても予防的な意味で合谷にお灸をすることも有効です。特別気になる症状がない場合はお灸をする基本部位と考えてください。

 

さいごに

 

不快な症状は慢性化させないのがポイントです。症状を感じた人はすぐに対処しましょう。また未病(病気になる前)の段階でケアするためにお灸がある生活をオススメします。

例えば「いつも春になると口内炎ができる…」という人はそのシーズンだけでもお灸を毎日すえることで治りが早くなったり口内炎が出なくなるものです。自分のパターンを知ったうえでそれに対処する方法を身につければ心強いと思いませんか?

ちょっとしたことですがとても大切なことだと思います。病名・症状名で怖がらずにカラダの不調をしっかり受け止めて改善していきましょう。

 

 

The following two tabs change content below.

マツモト コウイチ

東洋思想研究家でありUdemy講師でもあります。開業15年超の鍼灸師です。ビジネスから教育、エンターテイメントまで多くの人の成功と挑戦を東洋思想家として見渡しています。すべての投稿に関して講義講演が可能な内容となっています。居敬窮理(振る舞いを慎み、道理をきわめて、正しい知識を身につけること)を実践していこうと思います。

最新記事 by マツモト コウイチ (全て見る)

ABOUTこの記事をかいた人

東洋思想研究家でありUdemy講師でもあります。開業15年超の鍼灸師です。ビジネスから教育、エンターテイメントまで多くの人の成功と挑戦を東洋思想家として見渡しています。すべての投稿に関して講義講演が可能な内容となっています。居敬窮理(振る舞いを慎み、道理をきわめて、正しい知識を身につけること)を実践していこうと思います。