人類は数多くのパラダイムシフトを体験してきた。火の使用、車輪の発明、火薬、蒸気機関、電気、半導体…。
ビットコインは何を変え、何を生み出すのでしょうか。人類はさらなるプロペラント(推進力)を得てどこに向かうのでしょうか。
第3話 2010年 ビットコインが通貨になった日
「この味がいいね」と君が言ったから…か、どうかわわかりませんが毎年5月22日はビットコインピザデイというふれこみでビットコイナー(熱狂的ビットコイン保有者)のあいだでちょっとしたお祭り騒ぎになります。
2010年5月22日それまで仮想で通貨の役割をマネていたデジタルデータが、はじめて現実の世界での買い物に成功しました。
25ドルのピザ2枚と10000BTCを交換した(つまり暗号通貨で購入した)のです。
いまとなっては莫大な金額になるピザの価格。
それでも、当時としては何も現実的に手に入らなければまさに「絵に描いた餅」でした。この一歩はとても大きなことになっていくわけです。
まさか、それほど物分りのよい店主がいたのでしょうか?
ピザ店の名前はPapa John’s(パパ・ジョンズ)。気前の良い店主は、さぞかし今は大富豪…かと言えばそうではないようです。
エピソードとしてはビットコインでピザを買ったことにはなっているのですが、実はビットコインのフォーラムに入っていた人物が「誰かビットコイン10000枚とピザを交換しない?」と投稿したのがそもそものきっかけ。
それを見ていた他の誰かが10000BTCを受け取り、代理でピザを注文したというのが事の真相です。
このアメリカのフロリダで行われたやりとりがBTCを使った初の商取引(おそらく世界初?先述のように厳密には商取引ではない)とされており、5月22日はビットコインピザデイと言われるようになりました。
ただでさえ怪しい、疑わしいという暗号通貨も、物事の最初は気軽にやりとりできるコミュニケーションツールだったのかもしれません。
毎年5月22日には、みんなでピザを食べながらビットコイン価格に一喜一憂したいですね。
(つづく)
マツモト コウイチ
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