TED的プレゼンの原則

コミュニケーションは究極の形としてプレゼンテーションという側面もあるのではないかと思っています。今回は教育講演でおなじみのTEDより、そこで行われるプレゼンテーションをもとに私たちにも使えるメッセージの伝え方を原則という形で読みやすくまとめてみました。

 

伝えることの重要性が増す時代

 

あたりまえの構成を

 

漫画や小説、物語やテレビドラマでは起承転結という言葉で四部構成が聞き慣れていると思いますが、基本的にものごとを主張するときは、序論、本論、結論の三部構成がよいでしょう。

なかでも1回のプレゼンテーションで訴えることは1つが原則です。

三部構成は、この1つの訴えたいことのために存在します。

 

目指すべきは、聴衆が「結局、○○だよね」と言ってもらえることです。

 

それは7分お話しをしても、30分お話しをしても同じです。1人に対しても30人に対しても同じです。

 

いろいろ言いたいこと、伝えたいことがあると思いますが、そのなかでも洗練して伝えたいことを絞るのです。そして、注意しなければならないのは、これは関係性のスタートであって、ゴールではありません。

 

1度のプレゼンを聞いて興味を持ってもらい、継続して学んでもらったり関係性を築ければ正解です。1度のプレゼンですべてわかった気になられると薄い理解、淡い関係性で終わってしまうので、スピーカー(講師)も聴衆も注意が必要です。

そのために焦らずにてんこ盛りは避けて、要点を絞って訴えましょう。

 

序論に言うこと

 

序論は、いわゆる「つかみ」です。スピーカーにも場の雰囲気の重さから調子が出ないこともあるでしょう。

よくあるのは、政治家がその土地の名物を食べた話や方言で挨拶をするなど、地元に媚びる(?)エピソードがあったり、客席との距離感を確かめるために笑いを巻き起こすエピソードを披露したりします。

私もこのあたりは工夫の余地を感じて落語家の序論・導入部分である「まくら」についていくつか本を買って学んでみたことがあります。(学んだというより楽しんでいたのですけれど)

このあたりは必須ではないのですが、あくまでも聴衆との関係性です。話しやすい環境にするためにあったほうが良いものですが、時間が限られている場合は手短に本来あるべき序論、そして本論へ向かいます。

 

TEDでいうには序論・オープニングでは「私が何をするか」ではなく「相手が何を得るか」を伝えると言っています。

わかりやすくいうと、

×「環境問題。これから、わかりやすく地球環境の問題点を説明します」

○「環境問題。あなたが生活の中で少し変えなければならないことがあります」

 

私は英語の翻訳を聞いているので、少し日本語としてたどたどしく感じますが、もう少しこなれた日本語にイメージしてもらっても差し支えありません。ここでは、誰目線で行くかということを宣言します。

スピーカーではなく聴衆にとってどうなるか、です。

 

内容としては、パーソナルストーリー、衝撃的事実、インパクトのある質問などがこれに相当します。

パーソナルストーリー 「私が2度の事故から幸運にも立ち直れたのは…」

衝撃的事実 「1年で72万人も人間を殺している動物がいます。…それは蚊です。」

インパクトのある質問 「もしも人間の寿命が100歳ではなく800歳まで延びたとしたら…」

 

このように「相手が何を得るか」ということの導入部分として、これらの視点で興味を喚起します。

 

 

本論を磨くために

 

本論は、読んで字のごとく、もっとも主張すべき内容がある部分です。

 

本論を構成するには、自分の頭の中には主張することがあると思いますが、それらを箇条書きで書き並べて似た表現や同じ意味、階層が違う言葉(イヌ・ネコ・哺乳類など)を整理しておきます。

 

そしてそのなかで短いキャッチフレーズを見つけ核となるアイデアを基本フレーズに落とし込みます。

この基本フレーズをパワーバイト(端的な言葉)という場合もあります。

 

あまり類例を出すのが簡単ではないのですが、たとえば「緑の地球」といえば森林がうっそうと茂っている自然を想像できますし「人類が月面に降り立ったのは偶然ではない」といえば意思の強さが現実化するために必要だと具体的なイメージがしやすいものです。

 

ただし、わかりやすさを優先して手垢のついた言葉になるのはなるべく避けたほうが良いです。短いキャッチフレーズは本当に大切なのですが、それをエッセンスとして落し込む作業が本論の大切な役割であり、プレゼンの肝となります。

 

本論をなす内容は現状・問題提起・解決手段、時系列、アイデア・コンセプト提起などです。

 

TEDにおける講演はすべてが完成されたものではなく、挑戦中のこともあればアイデアベースのものもあります。ですから私たちがプレゼンとして訴えたいことも実はTED的プレゼンの原則にすべて応用できるのです。

 

結論は最高のおまけ

 

結論も読んで字のごとく、締めの言葉、結びの言葉となります。

 

ここでは、すでに本論で主張が終わっていますので、基本的に新しい情報は出てきません。

 

使うべき言葉は「最後に」「重要なのは」「もっとも言いたいことは」「私たちに必要なのは」「結局」というような言葉です。

 

内容について

 

プレゼンする内容についていくつかの工夫が必要です。

 

そのなかのひとつに関連付けがあります。帰属、利己、自己実現、未来への希望のどれかに関連付けると良いでしょう。

 

× この本の内容がとても素晴らしいです。しかも安い。手に入りやすいのでぜひ買って下さい。

 

○ この本を多くのビジネスパーソンが読んでいます(帰属)

○ あるいは顧客の心を動かす方法を知り、収入もアップ(利己)

○ 理想的な人生を歩むことができるでしょう(未来)

 

 

さいごに

 

このようにTEDでの素晴らしいスピーカーに学ぶことは多いと思います。誰でも自分の思いを伝えることは大切になる時代。プレゼンテーションをするために今回のような視点で再検討してみるとはどうでしょうか。

 

もちろん、内容だけではなく立ち居振る舞いや度胸など所作も求められると思いますが、これらは実践の場で身につけていくもの。いきなりできる人などいませんから、地道に表現力をつけていきましょう。

 

この機会に私も持っている資料、主張を自分用のプレゼンとしてまとめておきたいと思いました。ぜひみなさんも伝えたい主張を磨いておくことをおすすめします。

 

 

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マツモト コウイチ

東洋思想研究家でありUdemy講師でもあります。開業15年超の鍼灸師です。ビジネスから教育、エンターテイメントまで多くの人の成功と挑戦を東洋思想家として見渡しています。すべての投稿に関して講義講演が可能な内容となっています。居敬窮理(振る舞いを慎み、道理をきわめて、正しい知識を身につけること)を実践していこうと思います。

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東洋思想研究家でありUdemy講師でもあります。開業15年超の鍼灸師です。ビジネスから教育、エンターテイメントまで多くの人の成功と挑戦を東洋思想家として見渡しています。すべての投稿に関して講義講演が可能な内容となっています。居敬窮理(振る舞いを慎み、道理をきわめて、正しい知識を身につけること)を実践していこうと思います。