鍼灸院の利益の源泉

鍼灸師が経営困難に直面するという話しは業界にいれば珍しいことではないでしょう。ここでは何回かのシリーズに渡って鍼灸師向けに役立つ内容をお伝えしたいと思っています。

 

【シリーズ鍼灸師の考える経営】今回は(1)鍼灸院の利益の源泉と題してお伝えします。

 

利益は大切

 

上場企業ではゴーイングコンサーンといって「継続企業の前提」に立って物事を考えたり法体系が整理されています。

私たち(鍼灸師)のような零細企業であっても、誰かに事業を売却することを目的としていません(そもそもそのようなゴールを設定する鍼灸師はいないでしょう)。

利益は事業を継続していくための大切は指標となります。

指標というか、大切なモノそのものです。

 

趣味で行うなら別ですが、事業体ですから利益が出るような構造がなければ継続できません。ですから利益は大切です。

利益が出ないことを逆手に取って「生きがい」「社会貢献」と謳って貧しい生活を正当化するのは間違いです。社会に必要な事業であれば利益を生むことは可能であり、それができないのであればどこかしらに修正点があるという観点から見直しを図るべきでしょう。

 

シンプルな事業

 

鍼灸師は1人で事業を行うとしても立派な社長さんです。(個人事業主とも言います)

ですが、ほとんどの社長は経営判断のやり方を知りません。学ぶ機会を持っていないのです。

 

多くの鍼灸院は売上をあげる余力があります(つまり「売上が低い」ということです)

ですから根本的な発想は”予約枠(治療時間枠)を埋めればOK”という認識になります。

 

そして、その戦術は未達のまま継続していきますので、修正する機会がなく、ずっとその戦術を採用し続けるわけです。

 

大きな費用は2つ

 

鍼灸院経営はシンプルな事業だと言いました。

商品の仕入れとして在庫を数多く抱える必要もなく、倉庫代など考えなくて済みます。

だからこそ経営について真面目に向き合わなくて済むという誤解が生じるのかもしれません。

 

いくつかポイントがあるのですが、まず重要なことを確認しましょう。

鍼灸院経営にとって大きな費用は2つあります。人件費と家賃(テナント料)です。

光熱費や租税公課はそれほど莫大になりませんし、宣伝広告費や勉強に充当する費用は莫大になったところで調整が可能です。ですから、前述した2点の費用が支出の大きな部分を占めるということが理解できると思います。

 

困らないから困る

 

人件費と家賃が大きな支出だと述べました。

そのなかでも人件費は自分ひとりで鍼灸院を運営しているのであれば自分の給料が減るだけです。誰も文句は言わないでしょう(家族を養っていれば家族から言われるかもしれませんが、従業員への支払いが無いという意味でクレームは皆無、自己責任で終わります)

家賃も自宅を兼ねていたり、自分の持ち物であればそれほど極端に不安になることはないでしょう。

 

だからこそ問題が発生します。

 

「困らないから大丈夫」ではありません。「困らないから改善しようとしない」のです。

 

(ある意味、患者さんでもこういう人はいますね。困らないから積極的に治そうとしない…)

 

利益の増やし方

 

基本的にはどのような商売でも利益の増やし方は3パターンしかありません。

1)売上を増やす

2)経費を減らす

3)その両方を行う

 

「売上を増やし経費を減らす」ということが可能であれば最も成果が実感しやすいことでしょう。

それをどうやっていくか?

この視点は経営者である以上、常に念頭に置いておいてください。

 

削減可能なものは利益に直結

 

経費が減ればそれだけ利益は残ります。つまり経費削減は利益に直結なのです。(当たり前に思えますが話しが面白くなるのはまだまだ先です。前提をしっかり確認しておきましょう)

 

経費は必要だから使うもの、だから削除しにくいものと考えがちです。

しかしながら工夫の余地があると考えてください。

 

経営の工夫は数多くあります。正解は1つではありません。

私が提案するのが”宣伝広告費を減らす“ということです。

宣伝広告費は売上増加を見込むためにあり投資の側面があります。

リターンが多い宣伝(集客力のある宣伝)をするか、費用がかからない宣伝(低コストの宣伝)をすると投資に勝つ確率が高まるものです。

ですから、宣伝広告費を減らすという作戦は一考に値するものなのです。

ただし闇雲に減らせば良いというものでもないのです。戦略的に減らしていきましょうと提案しています。

私が実践した経験から言うと、宣伝広告費は限りなくゼロにすることは可能です。

 

ゼロにすることが目的ではありません。

例えば電柱広告があります。宣伝効果の他に「道案内」「縄張り意識」など複数の要因・思惑があります。

このあたりはROI(投資した資本に対して得られた利益を指す経済用語、転じて広告の効果)を吟味する必要があるでしょう。

 

宣伝広告費を戦略的に減らすという点を次回以降ご紹介していこうと思います。

 

 

今回のまとめ

 

  • 利益は事業を継続するために大切な指標だよ
  • 大きな費用があっても困らないと改善しないものだよ
  • 利益の出し方を確認しておくよ
  • 削減可能なものは利益に直結だよ
  • 工夫の余地があるのが宣伝広告費を減らすことだよ

 

次回をお楽しみに

 

(つづく)

 

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マツモト コウイチ

東洋思想研究家でありUdemy講師でもあります。開業15年超の鍼灸師です。ビジネスから教育、エンターテイメントまで多くの人の成功と挑戦を東洋思想家として見渡しています。すべての投稿に関して講義講演が可能な内容となっています。居敬窮理(振る舞いを慎み、道理をきわめて、正しい知識を身につけること)を実践していこうと思います。

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東洋思想研究家でありUdemy講師でもあります。開業15年超の鍼灸師です。ビジネスから教育、エンターテイメントまで多くの人の成功と挑戦を東洋思想家として見渡しています。すべての投稿に関して講義講演が可能な内容となっています。居敬窮理(振る舞いを慎み、道理をきわめて、正しい知識を身につけること)を実践していこうと思います。