鍼灸師のポジショニングから見えてくるもの

おそらくコンサルの人では言わないであろう鍼灸業界内のお話しについて。せっかく図を作ってみましたのでご紹介したいと思います。

 

鍼灸師のポジショニング

実質的な流派とどう付き合うか

 

同じブロックでそれぞれの流派の分布を書いてみました。

ブロックは代表的なポジションを同じ大きさで示しています。

 

左上 経営×慰安

慰安というのはリラクゼーションなどを指し、広義では未病治という考え方も成り立ちます。これら4分割においてどれが優れているという前提は考えていません。それぞれのポジションがあり、そしてそれぞれの分析に言及するポイントがあると思っています。

ここでは、美容鍼を代表的な鍼灸におけるポジショニングに配置しました。

これは新しい鍼灸の時代を感じさせる展開です。なぜなら、今までの多くの鍼灸は治療を中心にその価値を考えていたためです。そのため新規にこの分野が拡大していることも納得できることです。

このポジションでは、少し注意が必要です。鍼灸という独立性が高いものであればよいのですがどの業界も独り勝ちを許す状況にありません。ですから美容整形外科やエステなどが鍼灸院を運営したり連携するなど個人戦では過酷な展開が予想されます。そういう意味では今後10年内にこのポジションでリーディングカンパニーが誕生することも予想できます。

 

右上 経営×治療

このポジションは実力や専門性を求められるので、一見、参入障壁が高いような気がします。しかしながら、実際のところは経営勝負という側面があり、ある程度の知見を積めば経営感覚が成功を左右する点が見落とされがちだと予想します。

なぜならば、患者さんにとって治療効果があったか否かはある程度、通院した結果であり、その良否を判断するのはかなり後になるからです。ラーメンが美味しいかどうかというのは1度で判断できますが、専門的な症状を治療する場合は1度で判断するのはかなり至難の業だからです。

専門性を強く打ち出すほど受療分母が減りますから、人口の多い都市部での展開が望まれます。

逆説的にいうと、地方であれば専門性の強いポジションはとりにくいことになります。

 

右下 思想×治療

経営寄りのポジションは売上を意識することで共通認識を確保できるのとは違い、思想寄りのポジションは言葉のひとつ、定義のひとつでまったく違う認識となり共同で鍼灸院を運営したり連携することが難しくなってしまいます。ここは大きな課題であり、このすり合わせが強みになる可能性も含んでいます。

基本的に思想という土台があれば異業種からの影響はあまり受けるものではありません。ましてや鍼灸という独自性は、鍼灸師の人間性をあいまって総合的に治療効果を期待するものだと考えるのですから、ライバルの存在を完全に意識しなくて済むかもしれません。

先述したようにスケールしにくいのがデメリットであり、また安定性に強いのがメリットだと考えられます。今後はエビデンスの明示を業界全体が迫ったときにどのような対応をするのか備えておくことも必要になるでしょう。

 

左下 思想×慰安

思想重視ということは、売上のためのポジションよりも治療効果や人生哲学を優先することを言います。凡例では鍼灸と直接関係ないのですが参考としてマッサージというポジションを示しています。

ここでも、やはり同じようにスケールしにくいということがデメリットになります。

経営的に割り切ってマニュアル化できることは少なくなってしまうからです。もしくは、思想自体をスタッフ全員で共用しようとすると、ある種の宗教がかった思想の統一となり社会から受けいらられにくい形態になるのかもしれません。

そういう意味ではスケールしないで、一鍼灸師がひっそりと自分の目指す施術を行う場合はこのようなポジションに落ち着くのかもしれません。

 

鍼灸師の成長過程

鍼灸学生のときは経営寄りか思想寄りかというのはハッキリしないと思います。

そういう意味で消去法的に中心のポジションになります。

 

これらのポジションは距離が遠いほど難しいこととなります。この「難しい」というのは両立させることという意味となり、または両立したとしてもかなり技量の熟練を求められます。

逆にいうと、それらを両立させられた場合は強みになります。

これは一人の技術の中に収める必要はなく、ひとつの鍼灸院にタイプの違う先生を配置しても良いですし、ひとつの企業が違いタイプの鍼灸院を運営しても良いでしょう。

 

このあたりの理解がひとりの鍼灸師の場合は自分の成功を早める方法となります。

つまり「何でもできる」は「なんにもできない」ということになる危険を知ることです。

 

お寿司を食べるときに専門店とファミレスではどちらを候補にしますか?

うなぎを食べるときに専門店とファミレスではどちらを候補にしますか?

お寿司とうなぎを希望する人はどのような結果に落ち着くでしょうか?

 

このように、まずは専門性を高めてから近隣のポジションへと広げるほうが簡単です。

 

また違うポジションへ距離があるものを補完するような関係(必ずしも自分が対応する必要はなく紹介したり提携する)という発想があたらしい強みになる時代になるでしょう。

 

 

さいごに

 

ここではお話ししなかった基礎的なことは動画で説明しています。ぜひご視聴ください。

 

鍼灸師個人でのポジションと鍼灸院という事業体、または企業としてのポジションを考えていくと、どのような流派、どのようなスタンスから入ると良いか見えてくると思います。

またその後の展開、事業の発展性もなんとなく予見できるのではないでしょうか。

 

今後ともさまざまな形で分析を加えることで、もっと明確な鍼灸師としてのキャリアの積み方、成功のあり方が見えてくると思います。You Tubeの方はコメントを受け付けておりますので、ぜひご意見をいただければと思います。

また理解が難しい点、説明が不足している点もあるかとは思います。あわせてご指摘いただければ補足させていただきます。

新たなテーマを常に探していますので、鍼灸業界の発展、鍼灸師の活躍のためにお力添えいただければと思います。

 

 

 

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マツモト コウイチ

東洋思想研究家でありUdemy講師でもあります。開業15年超の鍼灸師です。ビジネスから教育、エンターテイメントまで多くの人の成功と挑戦を東洋思想家として見渡しています。すべての投稿に関して講義講演が可能な内容となっています。居敬窮理(振る舞いを慎み、道理をきわめて、正しい知識を身につけること)を実践していこうと思います。

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東洋思想研究家でありUdemy講師でもあります。開業15年超の鍼灸師です。ビジネスから教育、エンターテイメントまで多くの人の成功と挑戦を東洋思想家として見渡しています。すべての投稿に関して講義講演が可能な内容となっています。居敬窮理(振る舞いを慎み、道理をきわめて、正しい知識を身につけること)を実践していこうと思います。