テレビやパソコンだけではなく、スマホの登場によって長時間の目の酷使は避けがたいものとなっています。
少しでも目の疲れを減らそうと雑誌やネット記事ではマッサージの方法を紹介していますが、果たして本当に良いことなのでしょうか?
マッサージ機はすぐ時間切れになる
目のマッサージというわけではありませんが、一般的にイス型のマッサージ機は1回の使用目安が15分になっています。これは、それ以上マッサージを行うと副作用(反作用)が起こり得るからです。いわゆる《揉み返し》というものです。ですから、それを防ぐためにも安全に受けられる目安を15分未満にしています。
よくコース設定やタイマーが切れてしまったからと2回目をスタートする人が多いと思いますが、のちのちの体調を考えたら良いことではないのです。
目のマッサージに話しを戻しますと、誰かがマッサージをやってくれるなら、それほど長時間は行うことはないでしょう。しかし、自分でやろうと思えばいつまでもできてしまうのでは《ちょうどよい》という刺激を質的にも量的にもオーバーしてしまうものなのです。
その証拠にみなさんは食事において《食べ過ぎ》を経験したことはありませんか?食事中に「まだ食べれる」と思って食べているはずなのに、食後に気持ち悪くなったり苦しくなって後悔します。そんな経験は1度や2度では済まないはずです。
このように自分では《物足りない》と感じた刺激でも体にとっては負荷が大きいものです。
ですから、自分の体に行う場合は、刺激を量的にも質的にも過ぎないように細心の注意を払う必要があるのです。
マッサージの場所が説明してあったとしても、それが効果的に行えるかどうか、危険がないかどうかは本当に難しいものなのです。
疲れ目にマッサージをしてはいけない
マッサージは部位が悪いわけではないのに、やってはいけない理由があります。上記のように適切な刺激量で終わることが難しいのがその最大の理由です。
効果を早く出そうとすれば、刺激が量的にも質的にも過剰になってしまうのです。疲れているならなおさら躍起になってしまう心理になるのも無理ありません。
疲れ目だけではなく、目の下のクマの解消や小顔効果を謳って、マッサージを勧めている動きもありますが、本当に優しく行い短い時間で期間をかけて改善していく心構えがないと、目に見えないレベルで毛細血管や皮膚、筋肉を傷つけていることになるので注意が必要なのです。
知っているようで知らないSHIATSU
ただ、物事すべて否定すれば良いというものではありません。私はマッサージに代わる有効な手段を知っているので、工夫してほしいと思ったまでです。それは日本古来の施術法である《指圧》です。
今では日本のみならず世界的にSHIATSU(指圧)と呼ばれ健康法として広まりを見せています。
指圧は指腹で心地よい圧力で押し進めます。皮膚面を摩擦することもありませんので傷つける可能性をかなり軽減できます。
爪先ではありませんから正しい指圧の方法を身につければ痛いことありませんし、指先をネイルで飾っているとしても不可能ではありません。(よほど爪が長い場合は指圧どころかマッサージもできないと思いますけれど)
それでも指圧はシンプルに思えて、かなり間違って自己流でグイグイ指先で押している人を見かけます。もしかしたら指圧とマッサージが混ざっているのかもしれません。本当にもったいないことです。(間違った方法は効果が期待できないばかりか危険ですし)
指圧の秘訣はシンプル×シンプル
せっかくですから指圧の秘訣をお教えしましょう。それは指圧という指で押す操作法を一定して行うことです。場所によって強く押したり、押してからグリグリ広げたりしてはダメなのです。
そして、指圧をする部位ですが数箇所に的を絞ります。どこでも構わずグッと押すのでは、指がすべって目の周りや骨の硬い部位にあたって、顔や指先を怪我してしまいます。
押し方をシンプルに繰り返す、押す部位をシンプルに的を絞る。このシンプル×シンプルで疲れ目に有効な対処ができるのです。さらにいうと、指圧は押して留め戻すという一連の動作の繰り返しですから、部位と回数が確定してしまえば、刺激の量が多すぎるという間違いはかなり防ぐことができるのです。
マッサージで不用意に揉み返しにならないように注意しつつ疲れ目解消に役立ててください。
マツモト コウイチ
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